【考察】デマが「真実」となる理由
どうも。
日焼け後がボロボロになって、さらに気持ち悪い体になっているぐっさんです。
今こそ、 アイツでベリっと皮を向いてもらうべきのような気がしますが、もうそっとしておく事にしました。
さて、急に話が変わりますが、つい昨日、私の嫁がとても嬉しそうな顔をして、
これやれば通信速度の制限が無くなるんだって!!
と言ってきたので、もしやと思い見てみた所…
ヤバイ…想像通り。
今、ある意味旬なのを見せつけられた夜。
もう言わずもがなですが、嫁さんにそっと 「冷静になってごらん」といって、紙とペンを差し出し、この裏ワザのやり方を書かせてみた所、やっと彼女は悟りました。
今回は、この旬なネタを元に、何故、昨今の日本で「 デマ 」がこんなにも広まり、流行ってしまうのかを考えてみたいと思います。
※今回、相当長くなると思いますが、チャットレディの皆さんや代理店の皆さんの様に、ネットを活用している人たちには是非読んでいただきたい内容になるかと思いますので、お時間があるときにお読みいただけると幸いです。
こんなデマが流行った理由を考える
まずこのニュースについての紹介です。
インターネット上で拡散したうその情報の影響とみられる間違い110番が24日以降、全国の警察本部に相次いでいることが警察庁への取材で分かった。スマートフォンの画面上の「1」を2回押した後に「0」を押して発信すると通信速度が速くなるというデマがツイッターなどで広がっており、同庁の担当者は「本来の業務に影響が出るのでやめてほしい」と話している。
参考記事 <110番>通信速くなる…ネットでデマ拡散、誤通報相次ぐ -毎日新聞-
iPhone限定で出来る、通信を使い過ぎて通信速度が遅くなってしまったスマートフォンの速度制限を解除出来る、夢の様な裏ワザがあるという 訳の分からないデマが流行ったせいで、多くの人が実際にその方法を試してしまい、警察のみなさんが困ってるというニュースです。
どうやら、今年のエイプリルフールに同じ内容で確認されそれがこのデマの大元らしいのですが、最近になって、どういった経路か分かってはいませんが、このデマが急激に拡散。
8月24日を境に、各都道府県の警察に間違い110番が、えらいたくさんかかってきて困ってます…本当に困ってます…という異例の事態に発展しました。
現在、同様の内容のツイートを削除してほしいと要請しているとの事。
エイプリルフールの投稿だと考えれば、書き方が実に巧妙でユーモアがあって面白いなと個人的には思えますが、実際、間違い電話が来ている方からするとたまったもんじゃないですよね。
流行ってるからやってみようかなと思ってしまった皆さん。絶対にやめましょう。
何故こんなに広まった??
情報拡散ならこれでしょと言っても過言ではないSNS「twitter」のリツイートでの情報拡散により、ネズミ算式に広まったようです。
普段、あまりtwitterを見ていないと「いっている」嫁さんが、このデマを見たという事を考えると…半端じゃない拡散力だなと感じております…こわいこわい。
何故本当にやってしまったのか??
こういうネタ系が流行るのは、ある意味いつも通りですので、過去にここまで大事になっていませんでしたが、今回のケースは、全く気づかずに実際にやってしまい警察に連絡をしてしまう人が続出した事が問題視されています。
何で本当にやってしまったのか?
それは単純に、 通信速度制限を「タダ」で解除したい人が多くいるから でしょう。
また、おそらくですが、実際にこのデマを試してしまったのは、10代の若年層で主に 中~高校生が多いのでは推測しています。
拡散元のtwitterの利用者の年齢層や、通信速度制限の解除が必要なくらいデータ通信を使っていて、なおかつ、その制限を自分の意志で解除出来る環境ではない事を考えると、当たらずとも遠からずなのではと。
通信速度制限について
スマートフォンなどでデータ通信(インターネット通信)を使用する際に、各携帯会社・通信会社の料金プランによっては、●GBまでの通信が可能と、通信出来るデータ量の制限を設けているプランがあります。
その決められたデータ通信量を超えてしまうと、通信が出来なくなるか、 通信速度が10分の1以下になり、通信が遅くなってしまうという現象が起きます。
スマートフォンの場合の多くは後者が当てはまり、その事を 通信速度制限といっている訳です。その速度制限がかかってしまった場合、元に戻すには月初まで待つか、追加料金を支払うかの2パターンがあります。
今回のデマは、無料で簡単にその制限を解除して、 データ通信の速さを元に戻せるといったものです。
デマが「真実」となる原因を、心理学的観点でも考えてみる。
今回のニュースのデマもそうですが、何故こんなにもデマが広まって、それが「真実」だと信じられてしまう様になってしまったのでしょうか?
インターネット利用者の増加による情報量の肥大化や、SNSなどを利用した情報共有・拡散方法の多様化により、デマであろうが真実であろうが、ネット上に「情報」というもの自体は常に増え続けています。
ネットは情報を得る際に、非常に便利で、もはや必須のツールです。
近年ではスマホの大普及で、誰もが簡単にネットを使える様になっていて、誰でも簡単に自身の考えや意見をネット上に発信出来る環境があります。
そのため、様々な意見を取り入れやすく、そこに心理効果が作用します。
今回のニュースのデマは、「カクテルパーティー効果」が影響
カクテルパーティー効果とは、たくさんある情報の中から、 自分が興味がある部分のみを聞き分ける(見分ける)心理の事を指します。
どういうものかは、下記の動画を見ると分かりやすいかと思います。
下記を再生して、
白いシャツをチームが何回ボールをパスしていたかを数えてみましょう。
さて、何回パスをしていましたか?
なかなかのパス回しですので、何回も繰り返して再生したという人もいるのではないのでしょうか?
それと、
実は、動画の中で クマさんがのそのそ歩いてきて、映像の中心で華麗に踊っていた のですが、そこに気づきましたでしょうか?
1つの物事に意識する事で、他の認識が薄れる、もしくは無くなってしまう。これがカクテルパーティー効果です。
今回のデマは「通信速度制限の解除」に興味を持った人が多く、その部分に意識がいってしまった事で、他の部分に関しては意識を持てなかった事が、間違い110番を増やしてしまった原因です。
また、それと加えて、 制限が解除された! という「第三者の意見」も拡散した事で、より真実味を増したものとなりました。
「人の意見」は絶対的に強い バンドワゴン効果とウィンザー効果
バンドワゴン効果とは、 多数の人が選択した決断を受け入れる事で、安心感や満足感を得る事が出来る心理の事です。一番分かりやすいのは、行列が出来ているお店。
自分の好みじゃない、興味がなくても、人がそこに集まっている事で、「ああ、ここは人が集まるいいお店」だと思ってしまいませんか?
ウィンザー効果とは、 第三者を介した意見の方が、当事者の意見よりも影響力が大きくなる心理効果の事です。自分の知り合いが、1つの物に対して、「これすごくいいよ」といっているより、まったく知らない人が「これすごくいい」といっていた方信用できませんか?
それが、ウィンザー効果です。
前項の最後で挙げた「第三者の意見」の拡散により、真実味が増す理由もそれです。うわさ話や口コミ、レビューなどが、これにあたります。
ネット上のデマが「真実」になる要因として、この2つの心理効果の相乗効果により、 ネット上でより多くの支持を受けている意見が、「真実」として受け入れられてしまう傾向が強くなっているのでは推測しております。
真実がネジ曲がっていたとしても、多数の人が白を黒と言っていれば、白は黒となりえます。それがネット上で、誰でも簡単に出来てしまう事で、デマであろうと真実になりやすい状況になっているのです。
今回のまとめ
今、現代に必要なのは、自分で「考える力」を身につける事なのではないのでしょうか?
自身ではそう思っていなくても、例え情報を自分で見つけたとしても、「ネットでこういうのが出てたからこうなんだ」と、結果、他人任せで決めつけてはいませんか?
様々な情報を自分で集めるというのは、もう誰もが出来るようになっているかと思います。
なので、ここはもう一歩踏み込んで、得た情報を自分の中で整理する事で、どうするべきかを「考える力」というものを身に付ける事が、デマを真実にさせない第一歩になるのではと思っています。
と真面目に締めてみました。
あの プリングルズ事件の時の様に、例え既出なものだとしても、自力で考えた故の結果を求める事が大切なんじゃないかなと思います。