スマホ育児はNG!?大切なのは「頼り過ぎない、依存しない」
乳幼児に対しての「スマホ育児」が話題となっていますが、それについても賛否両論、いろいろな意見があります。
両親が共働きで核家族の家庭が当たり前になりつつある今。
あれもこれもとやることが多過ぎて、ついついスマホに頼ってしまうというケースも少なくありません。
今回は「スマホ育児」の実態と、メリットやデメリットについてご紹介していきます。
乳幼児の情報通信機器利用の実態
「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」が行なった「未就学児の生活習慣とインターネット利用に関する保護者意識調査結果(2016年10月実施)」の結果から、次のようなことが分かってきました。
利用開始年齢やその頻度ってどれくらい?
未就学児の5割以上が何らかの情報通信機器の利用を経験しており、中でも最も多かったのが スマートフォンの34.8%。
次に多かったのがタブレットで、こちらは12.7%となっており、スマートフォンの3分の1程度に留まっています。
情報通信機器の利用開始年齢は、
- 0歳から… 9.6%
- 1歳から…23.6%
- 2歳から…26.2%
と、2歳までに50%超の子どもがスマートフォン等の情報通信機器を利用している(見ている)というデータがあります。
また、これらの機器を利用する子の頻度は、
- 毎日必ず…19.9%
- ほぼ毎日…30.7%
という結果が出ており、約半数の子どもが日常的に利用していることが分かります。
子どもたちはどんな時に何をして遊んでいるの?
実際にこれらの機器を使って子どもが何をしているかというと、
- 「写真や動画を見る」
- 「撮影する」
- 「ゲームをする」
- 「知育アプリをする」
- といったことが多く、
- 「子どもが使いたがる時」
- 「親が家事などで手が離せない時」
- 「外出先での待ち時間」
- 「移動中」
などの場面で、 「親」が子どもに使わせる ケースが目立っています。
外出するときにおもちゃや絵本をいくつも持ち歩くのは大変ですが、スマホやタブレットがあればそれだけで時間が潰せるので、その手軽さが人気の要因とも言えるのかも知れません。
スマホ育児のメリット&デメリット
日本小児科医会では「スマホ育児」をできるだけ控えるようと提言しており、
「屋内活動が増えることで、近視に繋がりやすい」
「夜間に光の出る電子機器を使用すると、体内時計が狂いやすい」
「近くで小さい物を見続けると、目の調節機能に負荷がかかる」
といった専門家からの意見も出ています。
また乳幼児の時期は親子のふれあう時間がとても重要。
小学生になると子どもはどんどん手が離れてしまうので、この時期だけがベッタリできる貴重な時間でもあるのです。
親子間の信頼関係はもちろんですが、「人とのコミュニケーションの取り方」などの基本もこの時期に学びます。
スマホとばかり向き合っていると、人と向き合うことに苦手意識を覚えることにならないかという不安もあります。
これはメリット!子育てを手伝ってくれるアプリ
夫婦共働きで子育てをする世帯が多くなり、家での時間にも余裕がないため、止むを得ずスマホに頼ってしまうというケースも少なくないでしょう。
ただ、使い方や使うものによって、育児の手助けになるアプリもたくさんありますので、見極めながら使っていく事が大事です。
私が実際に使ってみた事がある「こんなアプリは便利」と思ったものを挙げてみます。
赤ちゃんが泣き止みやすい音が収録されているアプリ
胎内音、心音、水流音、音楽などに加え、録音機能がついているアプリもあります。
絵本や童謡を楽しめるアプリ
日本の昔話やアンデルセン、イソップ、グリム童話などが読めるアプリや童謡が聞けるアプリがあります。
子どもを寝かしつける時に役立ちました。
育児日記や予防注射のスケジュールを管理できるアプリ
これが一番重宝しました。
授乳回数や排泄の有無、メモや写真などの機能がついている育児記録型アプリや、誕生日を入力するだけで予防注射のスケジュールが分かりやすく表示される育児アプリも人気が高いです。
以上のようなアプリは、上手に利用すれば育児ストレスが大幅に減らせることに繋がるのかも知れません。
頼り過ぎない、依存しない
スマホは大人にとっても便利でいろいろ楽しめる日常生活に欠かすことが出来ない必須アイテム。
大人がおもしろいと思うものは、子どもにとってもおもしろいことに変わりありません。
スマホ育児が絶対ダメということではなく、「頼り過ぎない」「依存しない」という意識を持つことが大切。
「楽しむ時は親子で一緒に視聴する」
「日常的ではなく止むを得ない時の奥の手として利用する」
という意識を強く持っておくようにしましょう。
子どもがスマホと向き合っている時間はできるだけ最小限にとどめ、家族で向き合える時間を増やしていくことが何よりも大切です。
◆文:Nさん(外部ライター)